本研究は新築・既築のオフィスビルを対象に、そのコンバージョンやリニューアルによって水まわりの変更や増設が生じても対応できる新たな排水システムを提案し、その排水性能評価と計画・設計に資するデータの蓄積を図ることを目的とする。
その対策として、圧送排水ポンプユニットと小口径圧送排水管を用いた圧送排水システムと自然流下による重力式排水横管システムを併用した排水システムをオフィスコンバージョン等に対応する「ハイブリッド排水システム」として提案し、排水実験をとおし、その性能評価と計画・設計手法に資する知見を得る。
本報では、同システムの概要とコンセプトを述べ、排水性能を確保する上で必要となる基礎的な課題点を実験的に明らかにし、排水性能評価と計画・設計上の要点を提示する。